オランダからのスツール

2021-02-22

前回の投稿で意気揚々と「僕が大きく関わった店内家具の話を書いていきます」と書いていますが、よくよく考えてみると店内で主に使うディスプレイ什器や接客テーブルなどはまだ製作中で、完成品の写真なしでは僕の拙い文章で伝える自信がありません。。 なので、今回は店内の家具ではほぼ唯一の既製品のスツールと、それにまつわるお話を書こうと思います。 

Stool by Sho Ota


2020年の師走、店内の床が流し込み終わり、内装と店内家具の方向性がほとんど決まってきました。店内家具のデザインは基本的に関さんにデザインしてもらっていたのですが、スタッフが接客時に座るスツールだけまだ決まっていませんでした。好きなデザインのスツールはいくつかありましたが、新しいお店には僕が知っているデザインやブランドのものはなるべく避けたいと思っていました。なぜならそういったデザインのもの置くことで、意図しない意味が出てしまうような気がしていたからです。だからと言って、全く新しいスツールを一からデザインするのは非常に難しいので困っていました。 
そんなある夜、関さんから「このスツールめちゃよくない??」と一枚の写真とインスタグラムのリンクのラインが。そこには、見たことのないデザインのスツールがありました。
インスタグラムの現在地はアイントホーフェン( Eindhoven) でこのデザイン。僕も2009年に卒業したDesign Academy Eindhovenの人の作品だとピンと来ました。デザイナーは、2018年に卒業後オランダで活動している日本人のデザイナーのSho Otaさん 。このスツール以外の作品も良い意味でヘンテコで固定概念から逸脱したものばかりです。すぐに関さんと3人でzoomで打ち合わせをして、お店のスツールとしてオーダーしました。(もちろん関さんの分も)
このShoさんのデザインをより楽しむには、Design Academy Eindhoven(DAE)がどのような学校なのかということを簡単に説明した方が良さそうです。


Design Academy Eindhoven


DAEは、オランダの南部の工業都市にあるデザインの大学で、一番の特徴は、一般的なデザイン教育の実践的スキルを教えることよりも、コンセプトを第一の出発点としてモノそのものをデザイン&提案するコンセプチュアル・デザインを主体にしていることです。説明が難しいのですが、例えば椅子のデザインをするのではなく、"座る"という事柄をデザインする、みたいな感じです。学部名もプロダクトデザイン科などではなく、"Man and Well-being"、"Man and Mobility"、"Man and Leisure"と名付けられていて、学びたい概念ごとに分かれています。
Renny Ramakers(レニー・ラマカース)と共にdroog designを立ち上げた Gijs Bakker(ハイス・バッカー)が当時大学院の学部長を務めていて、僕はdroogに影響を受け、NYの大学を卒業後、DAEを受験しました。
僕が通っていたのはもう10年以上前ですが、janukaのコンセプト「お手本から少しずれる」は、オランダで学んだことから多大に影響を受けていると思います。当時はジュエリーを作ったことがなかったので、まさか仕事にすると思っていませんでしたが。

そんな不思議な縁で出会えたSho Ota さんのスツール。お願いしてから3週間ほどで日本に届きました。梱包の箱までデザインの一部のよう。この箱は現在関さんの京都の事務所に。

いよいよ新店舗のオープンが3月3日に決まりました! こちらのスツールも是非ご注目ください。次回はようやく他の家具なども入った完成した内装をご紹介します。