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はじめに(見出し2)
2022年3月3日~21日に開催しているjanukaの10周年記念として、1点もののスペシャルアイテムを発表しました。
その中の”SLICEシリーズ”は通常のラインナップには並ばないトルマリンを使用したピアスをご用意。
”SLICEシリーズ”は原石からスライス状に天然石を切り出して作られており、20mm以上の正円を切り出せるほど大きなトルマリンの原石は非常に希少なため、スペシャルアイテムとして今回選びました。
この貴重なトルマリンの原石は、宝石彫刻家の”詫間さん”秘蔵のトルマリン。
”SLICE”だけではなく、”BAND”シリーズの石の加工も全面的に請け負っていただいている詫間宝石彫刻さんの工房にお邪魔し現場での加工風景を取材させていただきました。企業秘密も含まれますため、全てを公開できませんが、”SLICEシリーズ”の製作の裏側や大まかな流れをご紹介させていただきます。
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SLICEシリーズについて
2016年にアーツ千代田3331で開催したNew Jewelryでリリースしました。

原石からスライス状に切り出した天然石は、熟練の職人「詫間宝石彫刻」の詫間さんによるオリジナルカットです。
石を薄くカットすることによりその石の柄や輝きが引き立ち、
異なる種類の天然石を同一の規格に落とし込むことで、自然物をプロダクトのように表現しています

詫間宝石彫刻
1967年に詫間宝石彫刻製作所として先代の詫間悦二さんが山梨県甲府市で創業されました。
現在、伝統工芸士とジュエリーマスターの資格を持つ二代目の詫間康二さん、詫間亘さんご兄弟を中心に、数名のスタッフと共に制作に取り組んでいらっしゃいます。

詫間宝石の詫間康二さんとjanukaは2014年にニューヨークの展示会で出会いました。
詫間宝石さんは技術を持っている方でも、前例のない作り方やリスクの高い作品作りをゼロから共に作り上げてくれる職人さんとはなかなか巡り合うことができないので、出会えたことと今も制作をお願いできていることは大変有り難く、janukaにとってなくてはならない存在です。
SLICEシリーズ制作/素材選び
まずは加工する天然石選びから行います。


また、天然石にはインクルージョン(内包物)やクラック(亀裂)があり、切り取る場所によって石そのものの柄が大きく変わります。いい位置に内包物のポイントがくるよう調整しながらも、亀裂を避けて加工時に破れてしまわないように注意しなければなりません。

また、石には”硬度”と呼ばれる宝石表面の傷のつきにくさや摩耗に対する強さの他に、”靱性”と呼ばれる粘り強さ、つまり割れやカケに対する耐性を表す数値があります。
硬度では最も硬いとされるダイヤモンドですが、靱性は最高レベルではありません。ダイヤモンドは一定方向に割れやすい”劈開性”を持ち、衝撃で割れたり欠けたりすることもあります。
他の天然石も同様で、”劈開性”を考慮しながら切り取る方向を決めなければなりません。
SLICEシリーズ制作/カット
いよいよカットの段階に入っていきます。






金属の加工についてはまた機会がありましたらご紹介できればと思います。
さいごに
この”SLICE”シリーズを店頭などでご紹介する際に「原石からスライス状に切り出しています」と説明をしていますが、その簡単な説明では伝えられない様々なハードルを乗り越えた上で出来上がった商品で、いかに職人さんの技術が大事かを今回紹介させていただきました。
企業秘密も含まれるため、大まかな内容ではありますが、職人さんの技術やこだわりが伝われば嬉しく思います。
石こそ自然が培ったものですが、選んで切り出していく職人さんの技術の恩恵によるデザインだと改めて感じさせられます。
出来る職人さんも少なく、適した石も限られているためこの”SLICEシリーズ”はたくさん作れるものではありません。
また、ひとつひとつ表情が異なり、個性を楽しんでいただけるような1点ものの商品ですので、もしお好きな柄のものが見つかりましたらお早めに決められることをおすすめします。
青山(表参道)の直営店では常時同じ種類の天然石で数点ご用意しています。
直営店よりは数が限られていますが、オンラインサイトにも掲載しております。こちらも合わせてご覧いただけますと幸いです。
